鉄道郵便車オユ10形式について

のと鉄道能登中島駅に保存する オユ102565

鉄道郵便車オユ10形式は、従来の旧型客車の構造と違い新系列の10系客車に準じた軽量化構造の郵便車で、昭和32年から昭和46年まで総数72両が製造されました。

運用範囲は北海道、本州、九州の根室から鹿児島に至る主要幹線で、急行列車、普通列車、荷物専用列車に連結されていました。

車内構造は主に区分作業室、締切郵袋室で構成され、鉄道郵便局に所属する乗務員が乗務して、郵便物を輸送するだけでなく、車内において郵便物の区分作業を行いながら、駅で郵便物の受け渡しをしました。

また、バリエーションが多く取付けられている設備で形式区分も細分化しており、改造で改番するなど複雑な形式です。大半の車両が製造当初の非冷房から低屋根化冷房装置取付け工事を施すなど大掛かりな改造履歴を持つのも特徴で、改造されなかった非冷房車と輸送需要の減少による余剰車は昭和61年の鉄道郵便廃止を待たずに昭和59年頃までに廃車されています。

オユ10 2565 略歴

昭和44年9月17日  新潟鐵工所で「オユ102045」として落成

              旧郵政省が所有車し、尾久客車区に配置

昭和51年2月     大宮工場で冷房改造 「オユ102565」に改番

昭和55年11月15日 札幌運転所に転属

昭和59年2月1日   車中継送区分制度(車内区分作業)を廃止

昭和60年3月14日  青森運転所に転属

昭和61年10月1日  鉄道郵便局及び鉄道郵便輸送廃止

       12月25日 のと鉄道能登線甲駅に移送留置

       12月27日 廃車、車籍抹消

平成10年4月1日   ふるさと鉄道保存協会の前身「保存鉄道活用研究会」がのと鉄道より譲受

               車体修復など保存活動を開始

       10月10日 第1回一般公開「オユ10まつり」を開催

平成12年12月1日  第3回「オユ10まつり」から郵袋と模擬郵便物使用により本格的に車内区分作業再現を開始

平成15年12月13日 のと鉄道貸切列車利用によるツアー団体への特別公開を開始

平成16年11月16日 能登線廃止に先立ち、保存場所を七尾線能登中島駅に移転

平成17年4月29日  当初はホームから離れていたオユ10の留置箇所を副本線上りホームに移動

               中島郵便局臨時出張所を初開設

平成20年3月21日  テレビ初収録 「BS鉄道ファン倶楽部」で放映

平成25年7月2日   のと鉄道穴水車庫においてジェイアール西日本テクノス社による車体修復工事を施工

     ~9月5日

平成27年4月14日  のと鉄道が駅舎隣接の旧保線側線に見学用通路を建設しオユ10を移転

       4月29日  オユ10見学をコースに含む観光列車「のと里山里海号」が運転開始

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