直江津乗務員事務室で支給された郷土料理!?

米直(べいちょく)弁当

大阪鉄道郵便局で年末繁忙期に設定された臨時便の弁当を紹介していますが、金沢鉄道郵便局では通年で弁当が支給される鉄道便がありました。大阪青森線の区間便である米原直江津間上り便は事前に準備した弁当を携行して車内の手すき時間に食事していました。同線を乗務したOBの方の証言をもとに弁当を再現しました。(弁当名は会長の独断で命名)

1 携行列車

  米原直江津間上り便(べいちょくのぼり) 
    直江津富山間
 240列車      直江津8:00 ⇒ 富山10:41
    富山米原間
    荷4046列車 富山12:00  ⇒ 金沢13:55~14:14  ⇒ 米原19:02
    直江津富山間扱便
、富山金沢間護送便、金沢米原間締切便

2 理由

朝8時に直江津を出発するため、発車のおおむね1時間前から乗務準備時間という規定があることから、朝食を事前に事務室食堂で済ますには早朝起きとなり、前日到着便終了後の仮眠時間が取れないことに加え、事務室食堂係員の勤務体制も関係したと思われます。金沢到着まで食事できないことから、弁当積み込みは必然的であったわけです。

3 こんな弁当?

  
        弁当箱と
ふきんは各乗務員持参のもの                                     ふきんをほどき…                                    中身のメインは「粉糠イワシ」が鎮座
        乗務前に食堂で受け取る

乗務員OBの方の証言では、いつもメインはこのイワシだったとか。別名「こんかイワシ」とも言い、北陸の保存食だそうです。今回は卵焼き、梅干、らっきょうをトッピングして弁当らしくコーディネートしました。会長が住む関西ではこのイワシは店頭に見つからず、オユ10の活動で能登に出向いて購入して持ち帰り、弁当再現にこぎつけました。
さて、
いただいてみると、イワシが辛いのなんのって…(>_<) 乗務員のみなさんは毎回この列車に乗務するたびに召し上がっていたのかと思うと複雑な気持ちになりました。

この便は直江津からは、いわゆる鈍行の240列車にくっ付き、富山ではあとから荷4046列車が追いつき、これには大阪新潟間上り便(阪潟上)が連結されています。これに米直上が増結されるので荷4046列車は郵便車が2両となりますが、米直上に直江津から乗務したメンバーの半分が富山で阪潟上に乗換えます。米直上は富山から金沢まで護送(区分作業をせず郵袋積み降ろしのみ)となるので乗務員は少なくていいわけです。一方で阪潟上は新潟富山間は護送であったのが、富山から先は扱便(区分作業あり)となるため人数が必要なので、米直上から乗り移った乗務員が加わり適正な人数になります。なお、米直上の富山金沢間(護送)乗務員は金沢以南が締切(乗務員は乗らず郵袋を輸送)となるため、金沢で鉄道郵便局に帰り着き退庁したと思われます。また、米直上は朝方に直江津始発であることから、沿線の積み込みは多くなかったと推測できますが、東京直江津便郵便車の直通であるため、車内には首都圏、甲信越から北陸への郵便物が多く搭載されていたと考えられます。車両運用、乗務員運用の絶妙さを感じさせる両便です。

 

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