木造貨車「ワ12、ト2」譲渡、搬出作業のご報告
 
 有田川町鉄道公園(和歌山県有田川町)で保存していた元蒲原鉄道の木造有蓋貨車「ワ12」は、ホームページで無償譲渡を呼びかけておりましたが、株式会社ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス様から譲渡希望が寄せられ、同じく保存中であった無蓋貨車「ト2」とともにお引き取りいただいた上で、今後は補修を加えて動態保存で活用されるご意向をいただきました。当会はこれに応じさせていただき、平成23年(2011年)11月21日、同公園において両車両の譲渡・引き渡しを行い、当会理事長・副理事長立ち会いのもと、安全に作業を完了いたしました。また、この様子は毎日放送様の撮影・取材を受け、当日のニュース番組で放映されました。
 株式会社ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス様は鉄道車両輸送・修復のプロフェッショナルで、今回トラック2台と大型クレーン車派遣の体制を取られ、ワ12を上下真っ二つにするなど予期しなかった作業要領に驚く場面もありましたが、実に手際よく作業を進められました。当会は感謝の気持ちでお渡しし、以後の補修・保存を期待しました。
 それまでの間、保存場所を提供していただいた和歌山県有田川町企画財政課様、有田川町鉄道交流館様、事前準備や当日の円滑な作業進行に御協力いただいた有田川町鉄道保存会様、有田鉄道株式会社様、金屋口鉄道保存会様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

当日の搬出作業について、下記のとおり報告させていただきます。
 

          
         旧金屋口駅ホームに留置したト2+ワ12にトラックを横付け              まず、ワ12の側扉を撤去 
 

                

                車体全部の鉄柱を順に切断               溶断の高熱で木部から発火するため、バケツの水を一撃!  
 

                

         大型クレーンで吊り上げた上部3分の1を撤去して、仮置き     ワ12の下部3分の2を吊り上げてトラックに積載 

                

            上部3分の1も、さらに2分割してトラックに積載し           有田川町鉄道保存会様のモーターカーで

            1両積み込みが完了!                           ト2を吊り上げ位置に移動していただきました  
 

                

                   ト2をトラックに積載                     積み込みが完了し、夕日が沈む頃、

                                                    富山県伏木に向かって旅立つト2とワ12

 

 このようにして、ト2・ワ12については無事に搬出を終えました。このたびの無償譲渡に際しまして、ご検討いただいた皆様に対しましても、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

※その後、ジェイアール貨物・北陸ロジスティクス様において美しく修復が行われ、ワ12は真岡鐵道様に、ト2は那珂川清流鉄道保存会様において保存していただいております。

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